古書肆豆伝堂
書名 著者名
イラストレーター

特集!第一回『石川達三』

ご来店ありがとうございます。豆伝堂事務担当兎路です。
販売だけでなく、なにか他のページもつくろう、という気軽なノリで、 特集ページを組むことになりました。
店長なり、私なりの、その時気になった作家さんやジャンル、作品なん かをテーマに、色々調べたことや感想なんかを、気の向くままに書いて いこうと思います。月1位で更新していく予定。堅苦しくなく、気まま にやっていこうと思うので、品揃え以上に偏ったものになると思います が、ついでに覗いて頂けると幸いです。
第1回目は、社会派作家石川達三氏。
第1回芥川受賞&発禁処分を受けた作家さん、ということで気になって いた時に、偶然たくさん発見したので早速仕入れました。
特集第1回目いうことで、販促もかねて(笑)特集です。

石川 達三(イシカワ タツゾウ 1905/07/20-1985/01/31)

秋田県平鹿郡横手町生まれ。早稲田大学文学部英文科に進むが1年で中退。
昭和5年ブラジル移民として渡航、数カ月で帰国。
『新早稲田文学』の同人 となり創作活動を盛んに行う。
昭和10年(1935)、ブラジルでの体験を描いた『蒼氓』で、第1回芥川賞を受賞。
昭和13年(1935)、『生きてゐる兵隊』(南京大虐殺に関与したとされる兵士たちに取材し、それを基に描かれた小説。日本軍の実態 を実写的に描いたとされる)が新聞紙法に問われ発禁処分、禁固4ヶ月執行猶予3年の判決を受ける。
戦後も社会派小説家として活動、話題作を多数発表する傍ら、日本ペンクラブ会長、日本芸術院会員、日本文芸家協会理事長、日本文 芸著作権保護同盟会長、A・A作家会議東京大会会長を歴任するなど、社会的活動も広く行った。

主な作品

『蒼氓』(ソウボウ)
『生きてゐる兵隊』
『青春の蹉跌』
(セイシュンノサテツ)
『僕たちの失敗』
『人間の壁』
『風にそよぐ葦』
『金環食』
等多数。
今(2008年現在)の30代から50代位の世代の人たちにメジャーな作家さんらしく、ネットで検索すると、「若い頃に熱中した」という感想が多数。 ズバリ団塊の世代の人気作家さんらしい。
青年期初期の、社会に出たての世代が感じる、人生における成功とは何か、他者との関係 とは、結婚とは、理想の社会とは…といった、この社会で生きていくうえでの疑問、がテーマ。
あまりに時代に密着している為、現代社会にはそぐわない、という理由でほとんどの作品が絶版となっていますが、その深い洞察か ら得るものはある、と思った。
ひとまず『蒼氓』を読了。写実・客観的な鋭い文章で、淡々と綴られていく。視線の冷徹さ故に、その社会に対する批判的な著者の 感情が、逆に熱く強く感じられたことに感動。
人生に迷ってしまいそうな時、小説、というかたちで先人の言葉に耳を傾けるのも良いかも。

【関連サイト】

  • Wikipedia「石川達三」
  • On Demand TV「あの人に会いたい/石川達三」
    \52で石川氏の動画が見られます。
  • ゆうのページ「南京事件ー日中戦争 小さな資料集」第一部 小さな資料集 5,文化人と「南京事件」
    石川氏の南京事件に関する発言が集められています。
  • 訃報ドットコム
    「死者検索」で石川達三と検索して下さい。
    石川氏について目新しいことが書いてあるわけではないですが、サイト自体の面白さに思わずリンク。
    関連リンク充実。ここ見れば一発かも。
  • 2008年04月25日 豆伝堂店員 兎路